効果音や声の素材をダウンロード販売するにあたって、まずどのサービスを利用して販売するかを選ぶ必要があります。
選ぶといっても、単に販売数を考えるなら、手当たり次第に各サイトに登録するのが一番です。
販売に至る流れは、次のようなものかと思います。
@ユーザーが自分の知っている販売サイトに行く→検索orランキングで見つける→買う
Aユーザーが出品者のWEBサイトからの案内で販売サイトに行く→買う
Aユーザーが出品者のWEBサイトからの案内で販売サイトに行く→買う
@にしてもAにしても、ユーザーは自分の使いたい販売サイトしか使わないので、もし1つのサイトにしか登録していないと、
@の場合:自分が商品を登録している販売サイトのユーザー以外に買ってもらえない。
Aの場合:自分のWEBサイトで案内していても、「この販売サイトのアカウント持ってないからいいやめんどくさい」となって立ち去られるかも知れない。
Aの場合:自分のWEBサイトで案内していても、「この販売サイトのアカウント持ってないからいいやめんどくさい」となって立ち去られるかも知れない。
という問題があります。
1つのサイトにしか登録しないことのメリットは、Aからの購買数を集中させることによりランキング上位を狙うことですが、無名のクリエイターがそんなことをしてもランキング入りは難しいです。それ以上に、他のサイトに登録しないことのデメリットの方が大きいです。
ただ、だからと言って本当に手当たり次第に登録してしまうと、それはそれで面倒なことになります。
登録・管理にかかる手間、販売データを差し替える時にかかる手間(製品の内容に変更はなくても、ReadMeの連絡先が変わること等はあるでしょう)、確定申告にかかる手間、そういったものも考慮して、ある程度に絞った方がいいと思います。
そこで今回の記事の本題。「素材をダウンロード販売するならどこがいい?」
Audiostockのような自分で値段・利用規約を決められないサービス、Stores.jpやBASEといった無料のネットショップ開業サービス、easypayのような「商品購入ページは用意するけどDL販売サイトは運営しない=検索機能がない」サービスは除外し、ある程度の知名度があると思われるDL販売サイトを比較しました。(僕のような無名のクリエイターにとっては、DL販売サイト内での検索に引っかかることが頼みの綱であるため)
DLsite.com
・公式の出品者向け説明ページ
・知名度:高
・100円の商品が売れた時の出品者の取り分:50円
・200円の商品が売れた時の出品者の取り分:100円
・500円の商品が売れた時の出品者の取り分:250円
・1000円の商品が売れた時の出品者の取り分:600円
・2000円の商品が売れた時の出品者の取り分:1450円
・アフィリエイト報酬料率:7.5%(自分の商品・Silverパートナー時)
・試聴プレイヤー:有
・海外展開:積極的。英語版サイトでも売ってくれる。
・最低振込額:3000円
・振込手数料:無料
・源泉徴収:適用
【評価】
同人販売するなら外せないサイトだと思います。
また、DL販売初心者としては、審査が厳しい点も逆にありがたいです。
DiGiket.com(デジケット・コム)
・公式の出品者向け説明ページ
・知名度:中
・100円の商品が売れた時の出品者の取り分:30円
・200円の商品が売れた時の出品者の取り分:60円
・500円の商品が売れた時の出品者の取り分:200円
・1000円の商品が売れた時の出品者の取り分:660円
・2000円の商品が売れた時の出品者の取り分:1470円
・アフィリエイト報酬料率:10%
・試聴プレイヤー:なし
・海外展開:記載が見当たらない。
・最低振込額:5000円
・振込手数料:無料
・源泉徴収:適用
【評価】
1000円以上の商品はDLsite.comより取り分が大きいが、100円のミニ素材集だと……。
それでもまったく売れないよりはいいので、登録して損はないと思います。
また、素材集専用コーナーが用意されているのが素晴らしいです。
DMM.com
・公式の出品者向け説明ページ
・知名度:中(サイトは有名だが、同人コーナーには成人向け売り場しかない。そこで素材集を売っている方もいらっしゃるので、成人向けでなくても問題はないようです)
・100円の商品が売れた時の出品者の取り分:30円
・200円の商品が売れた時の出品者の取り分:60円
・500円の商品が売れた時の出品者の取り分:200円
・1000円の商品が売れた時の出品者の取り分:600円
・2000円の商品が売れた時の出品者の取り分:1450円
・アフィリエイト報酬料率:35%
・試聴プレイヤー:なし
・海外展開:記載が見当たらない。
・最低振込額:3000円
・振込手数料:無料
・源泉徴収:適用
【評価】
サイト自体の知名度は高いですが、素材集販売の場としての知名度は低いと思われます。
ただ、登録さえしておけば、余ったポイントの利用先にしてもらえるかも知れないので、登録する価値はあると思います。
Melonbooks DL(メロンブックス DL)
・公式の出品者向け説明ページ
・知名度:中(同人誌等の物販が有名ですが、ダウンロード販売も扱っています)
・100円の商品が売れた時の出品者の取り分:70円
・200円の商品が売れた時の出品者の取り分:140円
・500円の商品が売れた時の出品者の取り分:350円
・1000円の商品が売れた時の出品者の取り分:700円
・2000円の商品が売れた時の出品者の取り分:1400円
・アフィリエイト報酬料率:5%(Silverランク時)
・試聴プレイヤー:有
・海外展開:記載が見当たらない。
・最低振込額:なし
・振込手数料:1000円未満→無料、1000円以上→有料(金額不明) ゆうちょ銀行なら無料
・源泉徴収:適用しない
【評価】
同人誌等の物販が有名ですが、ダウンロード販売も扱っています。
DL販売コーナーを利用する人がどのくらいいるのかは分かりませんが、低価格の商品を販売する場合には、出品者の取り分が一律70%なのがいいですね。
ただ、毎月の売り上げが1000円未満ならいいのですが、ちょうど1000円くらいだと、ゆうちょ銀行以外では毎回振込手数料を取られてかなり損をしそうなので注意が必要です。
BOOTH
・公式の出品者向け説明ページ
・知名度:中(BOOTH自体の知名度は高くないかも知れませんが、母体であるPixivの画面の右上に常に出ているので、見れば「ああ」と思う人が多いのではないでしょうか)
・100円の商品が売れた時の出品者の取り分:86円
・200円の商品が売れた時の出品者の取り分:182円
・500円の商品が売れた時の出品者の取り分:472円
・1000円の商品が売れた時の出品者の取り分:954円
・2000円の商品が売れた時の出品者の取り分:1918円
・アフィリエイト報酬料率:アフィリエイト非対応
・試聴プレイヤー:YouTubeやSoundCloudの埋め込みに対応
・海外展開:英語版サイトはあるが、商品名・説明文を日本語版と英語版で別々に登録することはできない。
・最低振込額:5000円(申請すれば5000円未満でも振り込んでもらえる)
・振込手数料:30000円以上→300円、30000円未満→200円
・源泉徴収:記載がない。多分適用しない。
【評価】
何と、出品者の取り分は商品価格の「96.4%-10円」ということで、ほとんどもらえてしまいます。
音声素材はまだほとんど販売されていません。検索された時に自分の商品が出てくる可能性が高いとも、そもそも検索されることがないとも言えますが、穴場かもしれないので、とりあえず登録しておいて損はないと思います。(そればっかりだな)
※2017.11.01追記:
12/4より、さらに取り分が増えます!
面倒なのでこの記事の中では再計算はしません。ご了承ください。
【お知らせ】
— BOOTH&pixivFACTORY公式 (@booth_pf) 2017年11月1日
12月4日の販売分より、BOOTHでの決済手数料を従来の1決済ごと「3.6%+10円」から「3.6%」に変更いたします。
1決済ごとの「10円」がなくなるため、低価格商品がより販売しやすくなります。ぜひご活用ください!https://t.co/oFUsBHIVWE pic.twitter.com/zFULGDHZhX
12/4からBOOTH(https://t.co/qgHDNrYQdx)の各種手数料が変わります。
— 夢前 黎@BGM・SE・声の素材配布中! (@Rei_Yumesaki) 2017年11月1日
販売者にとっては「取り分10円UP」、銀行・コンビニ支払いのお客様にとっては「手数料20円値上げ」、クレジットカード支払いのお客様にとっては「変化なし」となっています。
ファンティアの手数料4%を下回ってきましたね……! https://t.co/6DcaBCxRGk
DLmarket
・公式の出品者向け説明ページ
・知名度:中?(「ダウンロード販売の日本最大級マーケットプレイス」らしいですが、僕は今まで知りませんでした)
・100円の商品が売れた時の出品者の取り分:84円
・200円の商品が売れた時の出品者の取り分:169円
・500円の商品が売れた時の出品者の取り分:423円
・1000円の商品が売れた時の出品者の取り分:846円
・2000円の商品が売れた時の出品者の取り分:1732円
※2016.02.04追記
2/10に販売手数料が変更されることになりました。
株式・FX・投資以外のカテゴリーでは一律下記のようになります。
クレジットカード決済・Amazonペイメント・・・25%
銀行振込・ネットバンキング(※)・コンビニ決済・DLコイン・・・20%
Suica・楽天Edy・Paypal・楽天ID決済・・・30%
面倒なのでこの記事の中では再計算はしません。ご了承ください。
・アフィリエイト報酬料率:自分で設定する。アフィリエイトリンク経由で購入された場合、報酬は自分の収入から差し引かれる。
・試聴プレイヤー:有
・海外展開:ブラウザの設定が日本語以外の場合、サイト表記が英語に自動で切り替わる。商品名、商品説明文は、日本語と英語を併記することができるので、海外向けにダウンロード販売することも可能。海外からの購入も多数あるとのこと。
・最低振込額:316円〜50000円の間で自分で設定
・振込手数料:315円
・源泉徴収:記載がない。多分適用しない。
【評価】
これまで紹介してきたサイトとは毛色が違い、サブカルチャー臭がしません。客層が大分違うと思うので、ビジネスチャンスを広げるため、1つはそういうサイトに登録しておくべきだと思います。
ただ、200円未満の商品には「DLコイン」というDLmarket専用通貨しか使えないのがちょっと気になります。ポジティブに考えるなら、その通貨のあまりを消費するために買ってもらえるかも知れません。
よし、上記6サイト全部で出品しよう!
「どこがいい?」と言っておきながら「全部」かよ、と思われるかもしれませんが、今回ここに挙げた販売サイトはどこも知名度のあるところであり、全部登録してもおかしくないと思います。特に、自分自身に集客力がない僕の場合は・ω・;
価格を100円に設定できないサイトや、検索システムのないサービスを除外していったら、自然とこの6つになりました。6件なら、「絞り込んだ」と言えなくもないのではないでしょうか^^;
比較1 客層
客層の厚さはDLsite.comが群を抜いているのではないでしょうか。
DLmarketは特別枠で、後は同じくらい……と予想します。各サイトにどのくらい素材を買うユーザーがいるかは実際にやってみないと分からないので、自分で実験しようと思います。
約1か月後:同人DL販売サイト6つ比較 実際に素材集や音声作品を登録してみての感想【ver.1】
約6か月後:同人DL販売サイト6つ比較 実際に素材集や音声作品を登録してみての感想【ver.2】
比較2 各サイトの検索機能等を経由して商品が売れた時の出品者の取り分
※この項目は飛ばしても構いません。
・100円の商品:
BOOTH(86円) > DLmarket(84円) > Melonbooks DL(70円) > DLsite.com(50円) > DiGiket.com = DMM.com(30円)
・200円の商品:
BOOTH(182円) > DLmarket(169円) > Melonbooks DL(140円) > DLsite.com(100円) > DiGiket.com = DMM.com(60円)
最高と最低で3倍の差があります。
・500円の商品:
BOOTH(472円) > DLmarket(423円) > Melonbooks DL(350円) > DLsite.com(250円) > DiGiket.com = DMM.com(200円)
最高と最低で2倍以上の差があります。
・1000円の商品:
BOOTH(954円) > DLmarket(846円) > Melonbooks DL(700円) > DiGiket.com(660円) > DLsite.com = DMM.com(600円)
ここにきて順位に変動あり。DiGiket.comがDLsite.comを上回ります。
最高と最低で1.5倍の差があります。
・2000円の商品:
BOOTH(1918円) > DLmarket(1732円) > DiGiket.com(1470円) > DLsite.com = DMM.com(1450円) > Melonbooks DL(1400円)
またまた順位に変動あり。一律70%のMelonbooks DLが最下位になりました。
最高と最低で1.4倍の差があります。
まあ、この比較はお遊びです。本当に必要なのは次の比較。
比較3 自サイトからのアフィリエイトリンク経由で商品が売れた時の出品者の取り分
「比較2」の取り分+アフィリエイト報酬額の比較です。
※BOOTHにはアフィリエイト機能はありません。
※DLmarketのアフィリエイトは、アフィリエイターに報酬を支払うのが自分自身なのでプラマイゼロ。
・100円の商品:
BOOTH(86円) > DLmarket(84円) > Melonbooks DL(75円) > DMM.com(65円) > DLsite.com(57円) > DiGiket.com(40円)
DMM.comの報酬料率が35%と高いため、DLsite.comとDMM.comの間で逆転が起こりました。
・200円の商品:
BOOTH(182円) > DLmarket(169円) > Melonbooks DL(150円) > DMM.com(130円) > DLsite.com(115円) > DiGiket.com(80円)
・500円の商品:
BOOTH(472円) > DLmarket(423円) > Melonbooks DL = DMM.com(375円) > DLsite.com(287円) > DiGiket.com(250円)
・1000円の商品:
BOOTH(954円) > DMM.com(950円) > DLmarket(846円) > DiGiket.com(760円) > Melonbooks DL(750円) > DLsite.com (675円)
DMM.comがついにDLmarketとMelonbooks DLを抜きました。
また、DiGiket.comもMelonbooks DLとDLsite.comを抜きました。
・2000円の商品:
DMM.com(2150円) > BOOTH(1918円) > DLmarket(1732円) > DiGiket.com(1670円) > DLsite.com(1600円) > Melonbooks DL(1500円)
DMM.comが1位に、Melonbooks DLが最下位になりました。
この比較によって何を見出そうとしているかというと、自分のサイト経由で買ってもらうならどこがいいかなということなんですね。次の項目に続きます。
自分のサイトで紹介するならどの順番?
・DMM.comはアフィリエイト報酬料率の高さが魅力ですが、同人コーナーがR18版にしかないために、クリックしたら成人向けサイト(DMM.R18)に飛んでしまうので、全年齢向けサイトからリンクするのは不適当です。そのため、登録だけして、自分のサイトからはリンクしないことにします。
・DiGiket.comでの取り分は、600円からDLsite.comを抜き、800円からMelonbooks DLを抜きます。
・英語対応度はDLsite.com=DLmarket > BOOTH >その他かな?
・試聴プレイヤーは DLsite.com > BOOTH > DLmarket=Melonbooks DL > DiGiket.com > DMM.com(説明文中にURLを掲載することすら不可のため) だと思います。
これらのことを踏まえて、サイトで紹介する優先度を考えました。
【商品価格600円未満】
BOOTH > DLmarket > Melonbooks DL > DLsite.com > DiGiket.com
【商品価格600円以上800円未満】
BOOTH > DLmarket > Melonbooks DL > DiGiket.com > DLsite.com
【商品価格800円以上】
BOOTH > DLmarket > DiGiket.com > Melonbooks DL > DLsite.com
ちょっと多すぎるかも知れませんが、「アカウント持ってないからいいや」と立ち去られたらもったいないので、「この5つの中から買ってね!」と表示してみることにします。今までこの言葉は使いませんでしたが、はっきり言って「無職」なのでなりふり構っていられないです^^
2016.01.26 追記
やっぱり100円の商品を買ってもらって自分の取り分40円というのはさみしいので、低価格帯ではDiGiket.comへのリンクを張らないことにしました。
2016.01.31 追記
同人DL販売サイト6つ比較 実際に素材集や音声作品を登録してみての感想【ver.1】
実際に6つのサイトに登録してみた結果、自分のサイト上ではMelonbooks DLとDLsite.comのみ紹介することにしました。
2016.06.25 追記
同人DL販売サイト6つ比較 実際に素材集や音声作品を登録してみての感想【ver.2】
考えが変わりまして、BOOTHとDLsite.comの2本柱で行くのがいいという結論に達しました。詳細は記事をご覧ください。
販売を開始する順番
DLsite.comの審査はしっかりしており、不具合があったら指摘してもらえる他、英語版サイトへの掲載のために説明文を翻訳してくださる(自分で説明文を用意した場合はチェックして修正してくださる)そうなので、まずはDLsite.comに登録します。
無事DLsite.comの審査に通ったら、他のサイトにも販売申請していく予定です。
次の記事では、効率よく必要なサムネイル画像・試聴データを用意する方法を探ります!
次の記事:DL販売サイトに出品する際に、効率よく必要な紹介画像・試聴データを用意する方法
約1か月後:同人DL販売サイト6つ比較 実際に素材集や音声作品を登録してみての感想【ver.1】
約6か月後:同人DL販売サイト6つ比較 実際に素材集や音声作品を登録してみての感想【ver.2】
→ダウンロード販売関連記事一覧
スポンサーリンク