→2万円で効果大! 改造だんぼっちや自作防音室に使える遮音シート・吸音材
個人が自分の声や演奏を録音する時、録音場所は主に次の4つのうちのどれかかと思います。
@レコーディングスタジオ
録音環境はいいと思いますが、借りるたびに結構な料金がかかります。
Aカラオケ
レコーディングスタジオより安価に利用できますが、反響や騒音が酷いです。
参考:音声作品制作中! 〜カラオケで声を録音したらこんな音質〜 ついでにナレーション素材作りました
B自宅や車内
特に反響や騒音もなく録音できるなら、コストもかからないのでこれでいいのですが、家族や近所の人に聞こえてしまうことが問題になる場合もあります。
それを気にして声量や音量を抑えがちになり、いい音が取れない可能性もあります。
布団を被って録音したり、車内で録音したりする方もいらっしゃるようです。
C自宅内に設置した防音室
初期費用はかかりますが、長期的に見ればレコーディングスタジオを借りるより経済的に、いい録音環境を手に入れることができます。
この記事ではこのうち、Cの自宅内への防音室の設置を考えていきます。
ただし、この記事で紹介する方法はいずれも、楽器の演奏や本格的な防音には向いていません。
歌(作曲・歌ってみた)、音声作品(ボイスドラマ)、ゲーム音声、ゲーム実況動画等の制作を想定し、「声」を録音することに重点を置いています。
現在一番安価な市販の簡易防音室「だんぼっち」
DYIが趣味というわけでなければ、自分で作るより、安価な市販の防音室があったらいいなと思いますよね。
そんな要望に応えて作られた製品が、こちらの「だんぼっち」です。
価格は、2016年4月15日現在「59,800円+関東への配送料7,452円=67,252円」。
また、「だんぼっちの中で音が反響するのは仕様」で、必要に応じて「中の壁面に吸音材を貼ることで反響を抑え」るとのこと。(公式サイトQ&Aより)
Amazonのレビューでも、「吸音材はほぼ必須」、「ないとかなり反響する」とおっしゃっている方がいらっしゃるので、おそらくいい音を録音するためには吸音材も購入する必要があるでしょう。
吸音材の価格は、2016年4月15日現在「15,000円+関東への配送料920円=15,920円」。
なお、「発送元が異なるため、だんぼっちと吸音材を一緒にご注文いただいた場合も、それぞれ送料がかかります」とのことです。(だんぼっち送料一覧より)
つまり、だんぼっちを購入した場合の費用は、「本体67,252円+吸音材15,920円=83,172円」です。
【だんぼっちの長所】
・自分で防音室を作らなくていいから楽。
・市販品なので、自分で作るよりも性能が保障されている。
・使わない時は分解して収納。「慣れれば15分〜20分で組み立てられる」とのこと。
【だんぼっちの短所】
・重い。(防音室としてはかなり軽いと思いますが、梱包時重量は約39.04kg)
・値段が高い。(防音室としては破格の値段ですが、自作すればもっと安くできるかも知れないという意味で)
・中で立てない。(内寸高さ148cm。まあ僕のような選ばれしチビなら立てるのですが、一般的には立てないサイズです。なお、立てるサイズの姉妹品「だんぼっちトール」は送料込みで88,980円。専用吸音材20,010円と合わせると、108,990円!)
まだ「だんぼっち」以上に安価な市販の簡易防音室はありませんので、さらに安さを求めるなら自作するしかありません。
2016.10.17 追記
この記事を書いた後、一から作るよりはだんぼっちを改造した方がコストパフォーマンスがいいだろうという結論に至り、だんぼっちを買いました。
そして、だんぼっち本体+改造費用2万円で、音漏れと反響を大幅カットすることができました。
1万6000円で公式吸音材を買うのではなく、2万円で他の防音用品を購入し、だんぼっちの長所である「何度でも分解・組み立て可」という性質を生かしたまま、吸音材と遮音シートをつけて防音機能と録音環境を強化しました。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
→2万円で効果大! 改造だんぼっちや自作防音室に使える遮音シート・吸音材
ナレーション入りの動画も作りました。
だんぼっち、遮音シート、吸音材2種類、ボイスレコーダー等のレビューとしてご覧いただけます。だんぼっちの改造手順も写真付きで説明しています。
上の記事や動画は、筆者がだんぼっちを改造した経験に基づいて作られていますが、遮音シートや吸音材の性能検証も行っているので、一から防音室を自作される際の参考にもなると思います。
(追記終わり)
この記事を書いた後、一から作るよりはだんぼっちを改造した方がコストパフォーマンスがいいだろうという結論に至り、だんぼっちを買いました。
そして、だんぼっち本体+改造費用2万円で、音漏れと反響を大幅カットすることができました。
1万6000円で公式吸音材を買うのではなく、2万円で他の防音用品を購入し、だんぼっちの長所である「何度でも分解・組み立て可」という性質を生かしたまま、吸音材と遮音シートをつけて防音機能と録音環境を強化しました。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
→2万円で効果大! 改造だんぼっちや自作防音室に使える遮音シート・吸音材
ナレーション入りの動画も作りました。
だんぼっち、遮音シート、吸音材2種類、ボイスレコーダー等のレビューとしてご覧いただけます。だんぼっちの改造手順も写真付きで説明しています。
上の記事や動画は、筆者がだんぼっちを改造した経験に基づいて作られていますが、遮音シートや吸音材の性能検証も行っているので、一から防音室を自作される際の参考にもなると思います。
(追記終わり)
簡単に防音室を自作できないだろうか
ネットを検索してみると、多くの方が自作防音室の設置に取り組んでいらっしゃることが分かります。
しかし、トンカチでトントンカンカンやったり、特殊な工具使ったり、木材切ったりドア作ったりっていうのは、初心者には結構ハードル高いと思うんです。
まずその作業で出る騒音の問題がありますし、外でやるスペースがなく家の中でやる場合は、木くず等の処理も厄介そうです。
できることなら、静かに、簡単に、綺麗に作れるといいですよね。
収納スペースに困らないように、また、後からいくらでもバージョンアップができるように、可逆的な組み立て・分解ができるとなおいいです。
そこで、工具を一切使わず、木材も使わないで作る防音室を考えてみました。
僕が考えた簡易防音室の作り方
設計図をまとめたものがこちらです。(クリックで拡大)
いきなりこれを見せられても分かりにくいと思うので、順を追って説明していきます!
@ハンガーラックを2つ並べます。
こういうやつですね。
ここでケチって安物を使うと、後で歪んだり割れたりして、運が悪いと怪我をするかも知れないので、耐荷重が大きく、全体が金属でできているものを選んだ方がいいと思います。
また、突起部分が少なくシンプルなデザインのものが望ましいです。
一番大事なのは、身長より高く伸ばせることです。
上記のリンク先の商品は、「高104〜167cm」とのことです。
身長180cm以上の方は、なかなか合う商品がないかも知れません。
A遮音シートを巻きつけます。
展開図は後で載せます。
遮音シートはこの商品か、
この商品
を想定しています。
前者の方が安いですが、ネット上では後者の方が有名みたいです。(前者は業界では有名?)
どちらも94cm×10mなので、「94cm×防音室の高さ」に何枚か切り出して、端と端を布用両面テープ等で貼り合わせて1枚のシートにしてから、ぐるっとハンガーラックに巻きつけます。
なお、裏表については、文字が印刷してある方を内側(音がぶつかる面)にします。
扉になる面は隙間ができやすいので二重にします。
また、ハンガーラックの竿の部分に当たるところは長くしておいて、折り返してマジックテープで固定します。
竿に引っ掛ける部分については、かなりの重みがかかることが予想されるので、他の丈夫な布などで補強した方がいいかも知れません。
B内側に吸音材を貼りつけます。
ホワイトキューオンのコストパフォーマンスは、2016年4月15日現在「415mm×910mm×厚50mm」のサイズが圧倒的ナンバーワンですので、これを敷き詰めます。(他のサイズになると何故か急に割高になります)
防音室を使わなくなり(または制作に失敗して挫折し)、解体することになった時、遮音シートも吸音材もできるだけ傷つけずに回収できるようにするため、接着剤等で直接貼り付けるのではなく、布用両面テープでマジックテープを取り付け、それで遮音シートに吸音材をくっつけていくことを考えています。
C扉の留め具をつけます。
D別に作っておいたフタをかぶせます。
なお、フタも表面:遮音シート、内部:吸音材で形成しますが、それだけでは作りにくい場合は型になるもの(厚紙等)を使います。
遮音シートは多少ぐしゃぐしゃになってもいいので、扉面以外は隙間が生じないようにします。
扉の開閉のため、扉に接する部分には吸音材を貼らずにおき、また、遮音シートがめくれるようにしておきます。
フタができればいいので、形はきっちりしていなくても構いません。
本体にぴったりとはまるよりは、多少余裕があった方が、内側(下)からカパカパと持ち上げることで換気もできるのでいいと思います。
E床について。
これで完成なのですが、そう、この簡易防音室、床がありません。
吸音材を部屋の床にじかに敷くことを考えています。
もうちょっと凝るなら、遮音シートを長めに取っておいて、部屋の床に着いたところで内側に折り防音室の床とし、その上に吸音材を置くというのはどうでしょうか。
僕が考えた簡易防音室の材料一覧&材料費
ここで最初にお見せした設計図へと話が戻ってきます。
ハンガーラックや吸音材のサイズは、上で紹介した商品の寸法に合わせています。
高さは身長に合わせて変更してください。
さて、この設計図をもとに計算したところによりますと、材料は次の通りです。
・ハンガーラック:単価3,740円×2個=7,480円
・遮音シート:単価6,858円×1個=6,858円
・吸音材:単価1,563円×21個=32,823円
・布用両面テープ:単価648円×2個=1,296円
・マジックテープ:単価700円×1個=700円
合計49,157円
・遮音シート:単価6,858円×1個=6,858円
・吸音材:単価1,563円×21個=32,823円
・布用両面テープ:単価648円×2個=1,296円
・マジックテープ:単価700円×1個=700円
合計49,157円
ちなみに重量は、3.6kgのハンガーラック×2に、遮音シート約14kg、吸音材約13kgを絡めたものになるので、合計約34kgほどと予想されます。
吸音材を貼りつける外扉は、もしかすると自重で潰れるかも知れません……。
そしたら何かで補強しなきゃなあ。
※誤解を招く書き方だったら申し訳ないのですが、今回の記事では「作り方を考えた」だけで、まだ実行はしていないんです。
だからいざ作ってみたら、防音性能以前の問題で、いろいろと欠陥があるかも知れません。
だんぼっちを買うのとどっちがいい?
【僕の考えた簡易防音室の長所】
・だんぼっちを購入するより3万円安い。
・だんぼっち(組み立て時25.54kg)より重いが、ハンガーラックにはコロがついているので、家の中での移動はだんぼっちより格段に楽なはず。
・作った結果をブログで発表すれば、誰かの役に立つかも知れない。
【僕の考えた簡易防音室の短所】
・防音性能が未知数。(厚さ5cmの吸音材で囲むのだから、さすがにまったく効果がないということはないだろうが……)
・素材が自重に耐えられるか不安。
・作る手間がかかる。(一般的な自作防音室よりは大分簡単なはずだが)
僕は今こう思っています。
自作防音室の材料費の2/3は吸音材。まずはハンガーラックと遮音シートと布用両面テープとマジックテープだけ買ってみて、骨組みを作ってみたらどうだろうか。それで駄目そうだったら、ハンガーラックは普通にハンガーラックとして使って、遮音シートはだんぼっちの補強にでも使えばいい。
「こうしたらいいんじゃない?」というアドバイスや、「気になるから作ってみてほしい」というご要望がありましたら、ぜひ下のボタンからコメントをお寄せください!(匿名可)
ご要望をいただいても、ご期待に沿えない可能性もありますが、参考にさせていただきます!
2016.10.17 追記
この記事を書いた後、一から作るよりはだんぼっちを改造した方がコストパフォーマンスがいいだろうという結論に至り、だんぼっちを買いました。
だんぼっち本体+改造費用2万円で、結構いい防音・録音環境が手に入りました。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
→2万円で効果大! 改造だんぼっちや自作防音室に使える遮音シート・吸音材
また、残念ながら、この記事に書いてある自作防音室は実現不可能だと思います。
実際に遮音シートを購入して加工してみれば身に染みて分かることなのですが、遮音シートは大変重く、到底、試着室のカーテンのように扱える代物ではなかったのです。
補足すると、ホワイトキューオンは本来、反響音を吸収させるために使うものです。上の簡易防音室の設計図では、ホワイトキューオンを21枚も使っていますが、現在実際に使っている改造だんぼっちでは2枚しか使っていません。それで十分だったんです。
と、いうわけで、5万円で防音室を作ることはできませんでしたが、2万円でだんぼっちを大幅強化することならできました。レビュー動画もありますので、参考にしてください。
この記事を書いた後、一から作るよりはだんぼっちを改造した方がコストパフォーマンスがいいだろうという結論に至り、だんぼっちを買いました。
だんぼっち本体+改造費用2万円で、結構いい防音・録音環境が手に入りました。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
→2万円で効果大! 改造だんぼっちや自作防音室に使える遮音シート・吸音材
また、残念ながら、この記事に書いてある自作防音室は実現不可能だと思います。
実際に遮音シートを購入して加工してみれば身に染みて分かることなのですが、遮音シートは大変重く、到底、試着室のカーテンのように扱える代物ではなかったのです。
補足すると、ホワイトキューオンは本来、反響音を吸収させるために使うものです。上の簡易防音室の設計図では、ホワイトキューオンを21枚も使っていますが、現在実際に使っている改造だんぼっちでは2枚しか使っていません。それで十分だったんです。
と、いうわけで、5万円で防音室を作ることはできませんでしたが、2万円でだんぼっちを大幅強化することならできました。レビュー動画もありますので、参考にしてください。
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